だいすけろくの日々

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仏西旅行覚え書き DAY4-2

おはようございます。

ニース2日目、旧市街と朝市を見学し、展望台からの絶景を堪能した続きです。

 

ニース近現代美術館(MAMAC)

展望台から降りた後はその足でニース近現代美術館(MAMAC)*1に来ました。

1960年代以降のヨーロッパにおける現代アート作品が展示されています。建物はかなり現代的で、改修工事中でした。入場料は10ユーロ(約1,500円)。ただ、日によっては無料になることがあるとかないとか。

ただ、正直、現代アートがさほど得意ではない自分としては、大半が意味不明で少々しんどかったというのが正直な気持ちでした。

 

まあ、これは何となくですがわからなくはないです。

イヴ・クラインという現代アートの大家の作品。いくら青が好きでも青一色に塗りたくってどうするのかな。

ただの散らかった部屋。大学時代に受けた一般教養科目の現代美術概論を思い出しました。

何でも結婚生活の悲惨さを表しているとか。

まあ、現代アート大好きならうってつけなのでしょうが。まあそんな感じです。 あまり人もいませんでした。

 

シャガール美術館

MAMACが今ひとつだったので、少し遠かったですが、シャガール美術館へ向かいます。その名の通り、色彩の魔術師と呼ばれた画家マルク・シャガールの功績を記念して建てられた美術館です。入場料10ユーロ。結論から言うと、近現代美術館に行かずここだけでよかったと思いました、わしは。

マルク・シャガールは、1887年に現在のベラルーシ*2ユダヤ系ロシア人として生まれ、芸術を極めるべくパリに移住、そのうちに祖国で社会主義革命(ロシア革命)が勃発し、祖国ロシアに見切りをつけたシャガールはフランスに永住を決意します。ところが、第二次世界大戦でナチ政権下のドイツにフランスは蹂躙され、ユダヤ系であったシャガールは命からがらアメリカに避難、そんな激動の前半生を送って戦後フランスに戻ったあとは温暖なニースに居を構えて1985年に97歳で亡くなるまで、自らの体験を糧に反戦と平和をテーマにした創作活動を続け、多くの後進の芸術家たちに影響を与え続けました。

わしとシャガール作品との出会いは、小学生の頃に母親に地元で開催されたシャガール展に連れて行ってもらったことでした。それ以来のシャガール作品との対面となりました。

かなり急な坂を登らなければなりませんでした。

出入り口

 

作風は、聖書関連が多かったですが、そんな中にもシャガールのオリジナリティと現代までの普遍性が息づいている気がしました。

これは『最後の審判』を独自に解釈してリメイクしたもののようです。

これは創世記における人間の創造の場面です。天使と思ったら創造主なんですね。

禁断の果実を食べてしまい、エデンの園を追放されるアダムとイヴ。

神に命じられ、自らの息子イサクを生贄に捧げようとするアブラハム

色使いが独特で、味わい深い作品ばかりで、シャガールがいかに現状に心を痛め、平和を希求していたかが伝わってくるようでした。

他にも、シャガールに影響を受けた芸術家たちの功績も紹介されており、それは絵画のみならず、音楽やダンスにまで至っているようです。なかなか有意義な芸術鑑賞のひとときでした。おすすめです。

宿への帰り道、途中に大きな教会があったので、中に入って一休みしました。自分はキリスト教徒ではありません*3が、このような場は心が静まります。なので、ヨーロッパでは必ずと言っていいほど教会や大聖堂には足を運んでいます。

当初はその後レストランで美味いもの食べようと思い、宿に戻りベッドで一休みしたつもりが、そのまま眠ってしまい、空腹で翌日午前3時に目覚めました。想像以上に疲れていました。

そんな感じでの密度の濃いニース2日目でした。3日目は足を伸ばして近郊を訪れてみようと思います。

 

つづく

*1:Musee d'Art Moderne et d'Art Contemporainの略

*2:当時は帝政ロシアの一部

*3:浄土真宗門徒です