だいすけろくの日々

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仏西旅行覚え書き DAY18

おはようございます。

4月21日、旅18日目の記録です。サラゴサ3日目です。

Albergue Zaragoza Hostelという安宿のドミトリーに泊まっています。

ゆっくり寝て午前8時30分くらいに起きました。やはり疲れてきているなあ、と感じました。前日の晩にチェックインしてきた新しいルームメイトは国籍不明の20歳くらいの欧米系女子でしたが、無茶苦茶無愛想で、他の宿泊客と絡むこともなく、ずっと布団にくるまってスマホで何かしていました。まあ、ずっと大声で通話していない分断然いいです、はい。

アルハフェリア宮殿

9時過ぎから散策に出かけました。人出は相変わらず少ないです。微妙に曇っていて肌寒いです。

サラゴサの観光名所のひとつと紹介されているアルハフェリア宮殿に行ってみました。宿の西側にあります。

11世紀にイベリア半島を支配していたイスラム勢力によって築城され、カトリック勢力の奪還後は、現在のスペインの源流とされているアラゴン王国の国王の居城となった宮殿です。

見どころは、イスラム風の建築形式とキリスト教建築形式の融合したムデハル様式と呼ばれる建築形式で、グラナダアルハンブラ宮殿のモデルにもなったとされているそうです。

ところが、敷地内には入れたものの、宮殿内には入れませんでした。それが休業日だからなのか*1はわかりません。チケットカウンターも係員も見当たらなかったので、確かめる術がありません。残念😢 きっと中も素晴らしいに違いありません。

しかし、本当にアルハンブラ宮殿のモデルなら、アルハンブラ宮殿があれだけ賑わっていた*2のを思うと、かなり物寂しく感じますね。

 

朝食

気を取り直して、ピラール広場のバル街に向かい、モーニング営業中のカフェで朝食にしました。ケーキ類がメインのお店のようです。

カフェラテ2ユーロ(約300円)

チュロス2本で1ユーロ(約150円)

クロワッサン1.5ユーロ(約225円)

チュロスが安い上にほんのり塩味で、砂糖多めの甘いカフェラテとの相性が抜群で美味しかったです。溶かしたチョコレートにつけて食べるチュロスコンチョコラーテ(たぶん有名なのはこちらですが)にしようとも思いましたが、なぜかそっちは4ユーロ(約600円)もしました。

 

ゴヤ

ピラール聖堂の東側にあるアートギャラリーSala de Exposiciones La Lonjaにて特別展をやっていたので行ってみることにしました。

サラゴサ近郊出身で、下積み時代をサラゴサで送ったスペインの絵画の巨匠、『裸のマハ』や『我が子を喰らうサトゥルヌス』で有名なフランシスコ・ゴヤの特別展です。入場料はなんと無料でした。

ゴヤ家系図

10代までサラゴサで過ごしたゴヤは、さらに絵画を深く学ぶべくイタリアに出てルネサンス美術とフレスコ画(カトリック教会お馴染みの聖画の多くの技法)を学び、帰国後はその技量を認められてピラール聖堂の装飾画などを任されたそうです。その後マドリードに移り、スペイン王室の宮廷画家にまでなりましたが、病により聴力を失います。

やがてナポレオンが自分の兄をスペイン王にすべくフランスから侵略してきた際にはその怒りを作品に表したのが、代表作『マドリード1808年5月3日』*3です。

 

おそらく世界史の教科書、図表にも載っている一場面(画像は拾い物)。フランス軍に銃殺される反ナポレオンのマドリード市民を描いています。

宮廷画家を辞した後も、亡くなるまで「黒い絵」と呼ばれる暗いトーンで人間の狂気を描いた作品を生み出し続けました。

南仏のニースでシャガール博物館に行った時も、バスクゲルニカに行った時にも感じましたが、後世にまで名を残す芸術家というのは、時代、運命の理不尽さに翻弄されつつも決して流されることなく、不屈の思いで作品にして表現することで抗い続けた人ばかりなのだな、と思いました。

 

若い頃、作品制作中のゴヤ。隣のキャンバスは実際に彼が使っていたものだそうです。

 

簡素なスケッチ。これらのから作品のヒントを得ていたのでしょうか。

 

初期の作品群。やはり背景が暗い画風が得意だったようです。

 

ラフスケッチ(下描き)とそれを基にした作品。

 

最新技術を駆使してゴヤ本人の声を再現して、立体画像化されたゴヤが語りかけるコーナーには驚きました。

 

アイス屋さんとかバスのチケット購入とか

ゴヤ展の会場を出ると、すっかり太陽が登り切っていて晴れ渡っていて暑くなっていました。冷たいものが食べたい。

 

Helados Tortosaというアイス屋さんに来てみました。地元の人たちで賑わっています。なかなかお洒落です。

アイスクリームの選択肢は20種類くらいでした。チョコレートとココナッツミルクをチョイス。大きめのサイズとはいえ4.1ユーロ(約615円)。何気に高いです。しかし、チョコは味が濃く、ココナッツミルクアイスはコクがあり非常にコッテリした感じで、非常に美味しかったです。コンビニのアイスと比較すのもおこがましいレベル。

ヨーロッパの飯ウマな国はアイスもハイレベルなのだな、と今更ながら思いました。

 

歩いていると、ローマ時代の遺跡がありました。出入り口は閉鎖されていたので中には入れません。

 

旧市街地から30分近く歩いてサラゴサ駅に来ました。目的は電車ではなく、併設のバスターミナルで明日マドリードに移動するためのバスの切符を買うためです。写真に写っているのはスペイン国鉄高速鉄道AVEの車両です。フランスとの国境付近ではフランスのTGVと相互乗り入れもしているようです。これに乗れば1時間少しでマドリードまで行けますが、直前だと片道50ユーロ(約7,500円)くらいします。

チケットはビルバオから移動した際にも利用したAlsa社のバスで片道20ユーロ(約3,000円)マドリードバルセロナ行きの路線は高需要なようで、かなりの本数があるのがありがたいです。

バスターミナル内にはこんなカウンターもありました。Alsaとは別会社ですが、どうやら北アフリカのモロッコまでバスで行けるようです。*4地中海横断のフェリーや高速船と接続しているのかな。

 

夕食

取り敢えずやるべきことは済ませたので、宿に帰って休んでから、午後7時過ぎてから再び夕食のために外出。昼食は節約のため、チケット買いに行く途中マクドナルドで軽く済ませたため空腹です。

旧市街地にあるトリップアドバイザーでも高評価なレストランTragantuaに来てみました。ここを選んだのは、シーフードパエリアを食べたくて、この店がサラゴサでパエリアという点、そしてもちろんコスパで高評価だったからです。やはりスペイン料理と聞いて誰もが真っ先に思い浮かべるパエリアを食べずしては、スペインに行った気がしないと思います。

オープンしたばかりだったので、すんなり通してもらえました。上の写真の店内にいる黒服のウェイターのおじさんは、わしが日本人だとわかるととても嬉しそうな顔をしました。

日本みたいに生簀というか水槽があり、食材となるエビやカニがいます。食材の鮮度へのこだわりを感じます。期待感が膨らみます。

注文を取ってくれた写真手前の太めのおじさんの動きがむちゃくちゃ滑稽で笑いました。なかなか雰囲気もよいお店です。

ところが、

おじさん

「何にするんだい?」

わし

「シーフードのパエリアと白ワインで」

おじさん

「あー、ここのパエリアは2人前からなんだよ。とても多いよ。食べられる?(笑)」

わし

「いいよ。わし大食いだし、お腹ペコペコだし」

おじさん

「でも、作るのに時間がかかるんだ。オープンしたばかりだし、1時間くらいはかかるね」

わし

「1時間か・・・」

わしが頭を抱えていると、このブログの写真でお馴染みの相棒のぬいぐるみハムスターが

「パエリアがだめなら、肉食えばいいだろが、くそぼけ」

と某フランス王妃っぽいこと*5出して暴れだしました。

 

ステーキ17ユーロ(約2,550円)

勧めてもらった赤ワイン一杯4ユーロ(約600円)

そんなわけで、前日の昼に続き肉です。その時に食べた肉同様に岩塩と胡椒というシンプルな味付けで、美味しかったです。結局パエリアは21ユーロ(約3,150円)だったので、少し安くなりました。

パエリアはマドリードでリベンジします。

 

そんな感じで軽くハプニングもありながらのサラゴサ3日目でした。

 

次回は、旅最後の町マドリードへの移動です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:調べてみたら休業日との情報はなかった

*2:筆者は2015年3月にアルハンブラ宮殿を訪問したが、朝一で行かないと当日入場券を買えないほどの混雑ぶりであった

*3:オリジナルはマドリードプラド美術館にある。筆者は2015年3月に鑑賞した。『裸のマハ』『着衣のマハ』も同じ

*4:ちなみにこのバスターミナル発のヨーロッパ圏内での最遠方のバスの行き先はルーマニアの首都ブカレスト

*5:「パンがないなら、ケーキを食べればいいじゃない」で有名