だいすけろくの日々

だいすけろくが呟きます。旅ネタ多め✈️

ベトナム旅行覚え書きDAY4-1

おはようございます。

10月24日(火)、ベトナム旅4日目です。ベトナム中部のフエはナム・フォン・リバーサイドヴィラというホテルに泊まっています。明け方は凄まじい大雨でよく眠れず、参加予定のフエの世界遺産を巡るツアーがきちんと催行されるのか気が気でありませんでした。

 

朝食

午前7時40分頃に起床し、宿の女将さんが作ってくださった朝食をいただきます。トマト入りオムレツが美味しいです。昨晩何も食べなかっただけに美味しさが染み渡ります。

ネットでフエの天気を検索すると、終日降水確率90パーセントだそうです。完全に日時をミスったかな。

雨足朝の8時30分にツアーバスが迎えに来てくれることになっていましたが、のんびりしていたら8時10分頃にツアーバスが来ました。どうやら決行するようです。バスというかハイエースみたいな感じです。

 

ツアー開始

フエはベトナム最後の王朝、阮(グエン)朝の都が置かれた古都で、旧市街の王宮跡や郊外の歴代皇帝が眠る帝廟などの歴史的建築物群がベトナム初の世界遺産に登録されています。ただ、王宮跡以外はかなり辺鄙な郊外の山奥にあったりする上に、そこを目指す観光客を狙ったぼったくりタクシーなどの被害もあるとのことで、ツアーに参加した次第でした。

日本でトリップアドバイザーで英語ガイドつきのものを予約し、全て込みで7,000円でした。ちなみに日本語ツアーもあるにはありましたが、これの倍以上の値段がしました。

 

食べかけの朝食を無理矢理口に押し込んでバスに飛び乗ります。

参加者はわしを含めて5人。他はインド系イギリス人の年配の夫婦(後で聞いたら旦那さんは医師だそうです)、一人旅中の20代くらいのカナダ人青年、30歳くらいの台湾人女性でした。

まずは今日1日お世話になるガイドのミーさん(写真でこちらを向いている女性)から簡単なフエの気候や地理の説明。かなり聞き取り安い英語を話すので安心しました。日本だと秋と冬にあたる時期である今はベトナムでは雨季で、フエはほぼほぼ雨の降らない日はないのだそうです。昨晩のような土砂降りも当たり前。さらに海抜が低いので、川が氾濫したらすぐに洪水になってしまうらしいのです。しかし、あまりにもそれが当たり前すぎて、フエの人は誰も気にしていないのだとか。

 

車窓から。雨はだいぶ小降りに。しかしまあ、確かに既に川の水は溢れかけている気もしなくはないですね。

 

渡し舟

フエは中心を流れるフォン川という川幅数百メートルはありそうな大きな川を境に北の旧市街と南の新市街に分かれています。この2箇所は長い橋で結ばれていて、普通に徒歩やバイクや車が行き交っていますが、何故か渡し舟で渡ることに。バスで10分くらいで乗船ポイントに到着です。

増水していて川の水位が高く、乗船位置も上がっていて、乗り込むのに少し手こずりました。

ベトナムの昔ながらのボートに屋根とエンジンを取り付けた感じの簡素な舟でした。座席はベトナムの食堂には当たり前のようにあるプラスチック製の赤い椅子。船頭さん(?)のおばちゃん(上の写真の赤い服)がバケツで水を船底からくんで川に流していましたが、溜まった雨水を捨てているんですよね❓浸水してるんじゃないですよね❓

 

普通に川を横切っておしまいかと思いきや、そのまま上流に向けて進みました。どこまでいくのやら。天気が良くて増水してなければもっと綺麗な風景だったでしょう。

 

船頭のおばちゃんは商魂も逞しく、ベトナム中部の伝統的な衣料品や雑貨を広げて片言の英語で熱烈な営業トーク。しかし、どれも案の定割高だったのでパス。インド系イギリス人のご夫婦は合わせて5品くらいお買い上げしていました。

 

ティエン・ムー寺

30分くらい船に揺られて、最初の見学スポット、ティエン・ムー寺に到着。船着場から山門まですぐでした。普通に陸路でも行けるようで、山門前は他のツアーバスや観光客狙いのタクシーやバイクタクシーがたくさん。

渡し舟を降ります。雨足は霧雨状態にまで落ちました。もうこれ以上強まらないで欲しい。

 

ティエン・ムー寺とは、フエの北西5キロの郊外にある1601年に時の皇帝により建立された仏教寺院で、中国から伝わった禅宗の影響を受けています。寺の名前の意味は「天女の寺」。皇帝の目の前に天女が現れて、この場所に寺を建てよ、そうすれば真の支配者になれるであろう、とお告げを受けたことにちなんでいるそうです。

山門をくぐるとすぐに現れるのがこの寺のシンボルでもある7階層からなる仏塔、トゥニャン塔です。このひとつひとつの階に一体ずつ仏像が安置されていますが、見ることは出来ません。

 

中庭は日本庭園によく似ています。落ち着ける空間。

 

煌びやかな本堂、ダイフン殿。しかし、何だか懐かしい気持ちにもさせてくれます。

 

18世紀に鋳造された鐘。音はなんと10キロ先まで伝わったといいます。

 

この寺を有名にしたのは、ベトナム戦争中の1963年に起こったこの寺の修行僧だったティック・クァン・ドク氏の、南ベトナム政府による仏教徒弾圧に抗議しての焼身供養事件です。ドク氏はサイゴン(現在のホーチミン南ベトナムの首都だった)のアメリカ大使館に車で乗りつけ、大使館前で自らガソリンをかぶって火を放ちました。燃える炎の中、絶命するまで座禅の姿勢を崩さなかったそうです。境内にはドク氏が乗りつけた車が保存されていました。

 

ドク氏のポートレート。知的で温厚な人柄が伺えます。

 

ちなみに他の団体ツアーグループもたくさん来ていました。

 

ティエン・ムー寺の見学を終えて山門から出ると、ツアーバスが待機していました。最初に乗ったツアーバスとは少し違う車でした。ガイドさん曰く、これからフエ最大の市場、ドンバ市場に行くとのこと。正直、これは予想外でした。てっきり王宮と郊外の世界遺産をピンポイントで回るものとばかり思っていたので。まあ、わしも内容をつぶさにチェックしたわけではないですが。

 

ドンバ市場

ティエン・ムー寺から陸路で10分でフエの市街地に戻ってきました。やはり陸路の方が早いですね。

 

ドンバ市場は、フエ市民の台所となっている市内最大規模の市場です。

ただ、正直、ベトナムに限らず東南アジアのこういう場所にはあまりいい印象がないんですよね・・・。かつてホーチミンでもやられかけましたが、買いたくもないものを無理矢理売りつけようとしたり、隙あらばぼったくろうとする鬱陶しいオッサンやオバハンだらけなイメージしかないし、値段交渉もなんか面倒くさいですし。だからハノイの有名な市場には行かなかった。まあ、それを楽しいと感じる旅人もいらっしゃるようですが。

しかし、ガイドのミーさんが

「この市場はとても広いので、自由行動だと道に迷って出られなくなるかもしれません。なので、私がメインの箇所を案内しますので、皆さんはついてきてください」

と言ってくれたので、なら大丈夫かな、となりました。

活気がすごいです。これで鬱陶しい連中がいなければ個人行動でも全然楽しめるのですが。

ふと気づいたのですが、場所的にはホテルからも少し遠いものの徒歩圏内でした。

 

果物コーナー。南国のフルーツが所狭しと並んでいます。強烈な臭いがすると思ったら、ドリアンでした。インド系イギリス人の旦那さんがマンゴスチンとドラゴンフルーツをお買い上げしていました。英語もほとんど通じないので、買いたいものがあればミーさんが交渉してくれます。

 

精肉コーナー。なかなか豪快な切り売りの仕方をしています。ミーさん曰く、もっと朝早くにくれば狩猟で獲れた色々な野生動物の肉を見られるとのこと。ベトナム人は色々な動物の肉を食べるのだそうです。

 

お野菜コーナー。日本と異なり、人参や大根みたいな根菜類は少なく、メインは草、葉っぱ系。パクチーの匂いが漂っています。東南アジアらしい雰囲気。

 

東南アジアお馴染みの調味料、魚醬コーナー。魚を発酵させて作る工程上、かなり強烈な匂いがします。

 

日用雑貨コーナー。この辺から鬱陶しい人が増えてきました。しかし、ミーさんがその都度注意してくれるので助かりました。

 

市場見学を終えるとコーヒーブレイク。市場の2階に、市場とは対照的にお洒落なカフェがありました。ちなみに、コーヒー代はツアー料金に含まれていないので自腹。まあ、安いので良しとします。

サイゴンミルクコーヒーをチョイス。20,000VND(約120円)藁を編んで作られた紐が謎。濃くて味わい深いベトナムコーヒーに、甘い練乳がどっさり入っていて、暑い中ではありがたい味わいです。旧宗主国のフランスの影響か、ベトナムのコーヒー文化はかなりレベルが高いと思います。

 

阮朝王宮

市場見学を終えると、メインの見学場所、阮朝王宮に向かいます。

阮朝王宮は、その名のとおり、19世紀初頭から1945年までの約150年にわたってベトナムを支配(実際に支配していたのはフランスの植民地政府なので、お飾りにすぎませんが)していた阮(グエン)王朝の歴代皇帝が暮した王宮跡で、フエの中心的な観光スポットです。中国の紫禁城をモデルに造成されており、城壁で囲まれた一辺800メートルの正方形の敷地には皇帝と正室、側室、皇帝の子供たちと家臣やその関係者しか住むことが許されなかったそうです。

イメージてきには奈良の平城京をさらにダイナミックにした感じです。

アーバスでフォン川にかかる長い橋を渡り旧市街側へ向かいます。5分もかからずに王宮の正門に到着。

 

立派な正門前で記念撮影。ちなみに、東西南北にそれぞれ門があり、正門とされているのは南の門です。周囲には堀が張り巡らされています。欧米人ツアー客がたくさん来ていました。

 

平坦でだだっ広い区画の中に、皇帝にまつわる重要な建造物が点在しています。写真正面に見えるのは皇帝の執務室のある、その名もズバリ中国と同じ紫禁城。しかし、残念なことに完全予想図のタペストリーに覆われていて改修工事中。ガイドのミーさん曰く、本来ならとっくに工事が終わっている予定だったのが、コロナ禍で中断したせいで終わらない、とのこと。改修が終わっていたら、さぞかし豪華絢爛な建物であろうことは想像に難くないです。

 

この場所には皇帝が生活する住まいである本殿が建っていたそうですが、土台を残して何もありません。ベトナム戦争で破壊されたのだそうです。ベトナム戦争では、北ベトナム南ベトナムの境界線近くにあった(正確には南ベトナム側)フエはかなりの激戦地帯になってしまい、王宮の至る所に銃弾の跡が残されているようです。

 

紫禁城から伸びる回廊。赤と金のコントラストが、かつての栄華を思わせます。

 

中庭は一面草で覆われていました。兵どもが夢の跡、という言葉がしっくり来ます。

 

皇帝の正室である皇后の住まいだそうです。改修工事中でした。

 

次に、皇帝が余暇を過ごした王宮庭園に向かいました。ちなみに日本庭園も参考に取り入れたそうです。

確かに橋以外は雰囲気がそっくりです。結構癒やしスポットな感じがしますね。

 

大きな池もあります。

 

ここでも記念撮影笑

 

皇帝が読書などをして過ごした庭園に隣接した離宮

中を覗くと、立派な机と椅子、そして書庫。

 

約1時間の見学を終えて東門から退場。ツアーバスが待ち受けていました。写真左側に写っているのはシクロタクシー(自転車タクシー)。運転手のオッサンに「俺のシクロ乗らんか」と手招きされました。

 

次は、高級レストランでランチです。しかし、長くなりそうなので、一旦ここで終わろうと思います。

 

つづく