おはようございます。
10月24日(火)、ベトナム旅行4日目、ベトナム中部のフエでツアーに参加し、阮朝王宮見学を終えた続きです。
Madam Thu Restauranteで昼食
王宮を出発すると、5分程でこの日の昼食会場であるMadam Thu Restauranteに到着です。
ガイドのミーさんによると、フエでもかなり有名店のひとつで、歴代皇帝も食べていたであろうフエの伝統的宮廷料理がいただけるそうで、当然食事代もツアー料金に含まれています。個人だとケチケチ精神が発動しがちでこういうお店はつい敬遠してしまうので、楽しみです。
店内は賑わっていましたが、客層は地元の人は皆無。全員欧米人旅行者ばかり。やはり地元ではかなり敷居の高いお店のようです。
まずは飲み物をオーダーします。ただ、何故か飲み物だけ別料金でした。搾りたてマンゴージュースをチョイスしましたが、これが40,000VND(約240円)。地味に高いです。市場で買って飲んだベトナムコーヒーの倍の値段です。他の参加者の皆さんはミーさんが薦めてくれたフエのご当地ビールを頼んでいましたが、わしは基本昼間にはお酒は控える主義なので敢えてマンゴージュース。ただ、素材がよろしくなかったのか、全然甘くなかったです。それどころか、青臭さをほんのり感じました。
相棒のすけろくくんは皆の人気者になっておりました笑
参加者の皆さんはカナダ人青年以外は皆来日経験があり、大阪、京都、東京は経験済みだそうです。インド系イギリス人のお医者さん夫婦は広島と北海道にも行ったそうですが、20年近く前の話で、また行きたいね、と言っていました。なので、長崎を強く薦めました。円安でベトナムほどでないにしろイギリスからすれば物価も安いですし泣
そうこうしているうちに前菜が来ました。というかここで初めてコース料理であることに気づきました。
前菜はフエ伝統の小皿料理の盛り合わせです。持ってきたウェイターさんが一品ずつ流暢な英語で紹介してくれました。バインエップとバイン・ラーチャという2種類の春巻き風の料理と、ネムルイというレモングラスの茎に刺して焼き上げたつくね肉を、好みに応じて野菜と共にライスペーパーで巻いて2種類のタレにつけていただきます。どれも初めて食べる味わいでしたが、当然のように美味でした。
次にメインディッシュ。ご飯の入った器を中心に、白身魚を香草と共に揚げて魚醬メインのあんかけソースをかけたものと、茄子のチリソース炒め、鶏肉の魚醬和え、青梗菜の炒め物の4品が囲んでいます。どれも味が濃いめでご飯の進む味でした。日本人としては嬉しい。特に白身魚の料理が美味しかったです。
デザートは西瓜とドラゴンフルーツ。南国フルーツは甘味が強くて美味しいです。ただ、あのマンゴージュースはあかん笑
食後は足湯。至れり尽くせりでした。ご馳走様。
ミンマン帝廟
外は、せっかく弱まっていた雨足が再び強くなりました。しかし、ツアー再開です。午後の部は阮朝二代目の皇帝、ミンマン帝(在位1819〜1840)の墳墓であるミンマン帝廟の見学から。
ミンマン帝廟はフエの南15キロの山間部にあります。ガイドのミーさんによると、ミンマン帝は歴代皇帝の中で最も博識かつ保守的だったとされ、フランスの支配下にありながら前の宗主国である中国の文化に傾倒していたそうです。(そもそもそれを保守的と言えるのかどうかはいささか疑問です)
ツアーバスで約30分かかりました。確かに個人で訪れるのはなかなかハードルの高そうな立地です。
帝廟の出入り口。かなり小さいです。正門は向かって左側ですが、皇帝の遺体が埋葬のために門をくぐって以降、一度も開いたことがないそうです。
入場門をくぐると、象、馬、そして兵士の石像が帝廟の敷地を真っ直ぐ貫く通りの両脇に鎮座しています。皇帝を守っているのだそうで、中国の兵馬俑に近いのかもしれません。スケールは桁が違いますが。
皇帝の遺体が実際に葬られている墳墓までには3つの立派な門がありました。いずれも壁が黄色く塗られているのが特徴。黄色は皇帝の権勢を表す色なのだそうです。
最後の3つ目の門の中には皇帝とその皇后の位牌が供えられています。確かに、形式は中華風ですし、2019年に行った台湾旅でも似たようなものを見た記憶があります。ツアーメンバーの台湾人のお姉さんも台湾にそっくりだと言っていましたし。
最後の門の背後には、鬱蒼とした木々に覆われた墳墓が。ここが帝廟の本体ですね。中には入れません。
カイディン帝廟
ミンマン帝廟の次は、12代皇帝カイディン帝(在位1916〜1925)の墳墓であるカイディン帝廟に。ミンマン帝廟からはツアーバスで10分くらいでした。場所的にはフエ市街地の南東に位置し、やはり山間にありました。
カイディン帝はフランス植民地政府に擁立されて即位し、フランスの庇護下にあったこともあり、ミンマン帝とは対照的に親仏派となり、フランスを通じての西洋文化の取り入れに積極的だったそうで、それは帝廟の造りにも色濃く残っているそうです。
山の斜面に沿って作られているため、かなり急な石段を登らなければいけません。石段の上の門は既に西洋風です。
材料の石材などの大半はフランスから輸入して作らせたそうです。他にも、中国や日本からも資材を輸入していたとか。写真は皇帝の功績を記した石碑を納めた御堂ですが、確かに屋根の龍の彫刻など、ガーゴイルによく似ています。
石段のてっぺんにあるのが皇帝の遺体が埋葬されている墳墓。いや、同じ墳墓でも先程のミンマン帝のそれとは全然違っています。まず中に入れるところ。そして見た目。ミンマン帝廟は神秘的でしたが、こちらはまるでヨーロッパの王宮です。
皇帝の位牌が祀られています。
壁、窓、天井の様子はまさにヴェルサイユ宮殿。装飾品の素材にはフランス産ワインの瓶などが使われているそうです。規模はミンマン帝廟の半分にも満たないですが、とにかく細部に至るまでの装飾にこだわりを感じました。
墳墓の中心部。玉座に座る皇帝の像の真下に皇帝が葬られています。
2人の全く対照的な皇帝の帝廟を見学した後、ガイドのミーさんから、
「あなたはどちらの帝廟が好みですか」
と訊かれましたが、即答できませんでした。
その後、ツアーアンケートを記入してメンバーが各々滞在しているホテルまで送り届けてもらい、午後4時頃にツアーは無事に終了しました。
感想を一言で言うと、楽しかったです。わしは世界史履修者ですが、科目としての世界史でも、アジアを扱う東洋史に関しては大半が中国史、残りのうちの大半はインド史みたいな感じです。そしてベトナムを含めてそれ以外のアジア諸国の歴史はおまけみたいな感じなので、知らないことだらけで勉強にもなり、個人で訪れるよりも遥かに有意義だったと思います。
充実した気分でホテルに帰りました。
夕食
さて、ホテルで3時間くらい仮眠を取ってから午後8時頃に夕食を食べに外出しました。繁華街を歩いていると、客引きが次々と声をかけてきますが、あしらいながら良さげな食堂に入りました。あまりフエの客引きはしつこくないです。
ナーハンというお店です。店員さんはフレンドリーでしかも日本語を少し話せました。
フエの伝統的麺類、ブンボーフエです。麺はフォー同様米でできていて、フォーによく似ていて、フォーの亜種という見方もあるようですが、フォーよりコッテリした感じで、様々な部位の肉が入っているのが特徴です。このブンボーフエには、牛バラ、レバー、ホルモン、さらにつくね肉まで入っていて具沢山でした。
ツアーでガイドさんに教えてもらったご当地ビールと合わせて82,000VND(約492円)。写真左の草はタダ。
肉の旨みがスープに行き渡っていて、とても美味しかったです。分量も意外と多かったので、お腹いっぱいになりました。
そんな盛りだくさんな1日でした。フエのハノイやホーチミンとは異なる静かな落ち着いた雰囲気も気に入りました。ツアーも楽しかったし。あとは何と言っても天気が良ければ言うことなかったです。
明日は飛行機でハノイに戻り、帰国への流れとなります。
つづく