おはようございます。
旅14日目、この日は日帰りで、スペインバスクの美食の町として有名なサン・セバスチャンに向かいます。
Alsaのバス
午前6時30分に起床して、地下鉄を乗り継ぎ、San Mamesという地下鉄駅に直結しているビルバオのバスターミナルに到着しました。ほとんどのスペイン各地へのバスはここが発着地となっています。
バスのチケットは昨日に前もって購入しました。*1
バスに乗る前にターミナル内のカフェで軽く朝食。カプチーノと生ハムのサンドイッチで計5ユーロでした。(約750円)
Alsa社のバスの出発は午前7時30分。サン・セバスチャンまでは約90分の道のりでした。
サン・セバスチャンは、バスク語でドノスティア*2と呼ばれ、また「美食の町」「ビスケー湾の真珠」とも呼ばれるスペインバスクを代表する町です。フランスとの国境ともかなり近く、フレンチバスクすなわちバスク地方のフランス側*3の町、バイヨンヌからはバスで1時間弱。当初は、トゥールーズを発った後で陸路で大西洋側のボルドーまで向かい、そこからバイヨンヌ、国境を越えてサン・セバスチャンへの移動を考えていましたが、日程的に無理でした。
バスの到着するサン・セバスチャンのバスターミナルは鉄道駅の地下にありました。
地上に出ると、このような立派なモニュメント的なものが現れます。
旧市街に向かって川沿いを歩きます。たまにランニング中の地元民とすれ違うだけで意外と静かでひっそりしています。時間が早いせいかな。スペイン人の朝は遅いですしね。
晴れていますが、少し肌寒いです。
旧市街に着きましたが、やはり静かです。バルもまだ営業前のようです。時間を置いてからまた来ることにしましょう。
町自体は割と小さな町なので観光はしやすい感じです。
モンテ・ウルグル展望台
バル街がオープンするまで、絶景が見られるという展望台に行くことにしました。旧市街の北側に、ビスケー湾に突き出した半島状の展望台、モンテ・ウルグル展望台を目指します。
目印は金色のキリスト像です。小高い山になっています。この山がモンテ・ウルグルと呼ばれています。
夏のハイシーズンはヨーロッパ中からバカンス客が訪れるラ・コンチャ海岸です。犬の散歩中の地元民しかいません。砂浜に沿うように高級ホテルが並びます。
モンテ・ウルグルに登るための登山道は山を取り巻く形で螺旋状に設けられているため、傾斜はさほど急ではなく、登りやすい上に、朝焼けのビスケー湾や大西洋など様々な位置からの絶景が楽しめました。
展望台には大砲が残されていました。何かの侵略から守っていたのでしょうか。調べてみると、12世紀頃には軍事要塞としての役割を担っていたようです。*4
サンタ・マリア・デル・コロ聖堂
モンテ・ウルグルを下山し、サン・セバスチャンでも最も古い教会であるサンタ・マリア・デル・コロ聖堂で一休みです。
18世紀に元からあった聖堂の上に建立されたゴシック様式の聖堂です。
中は一部博物館のようになっていて、かつての聖堂の遺物などが展示されていました。
バル巡り
聖堂を出たら到着時と違い、旧市街の人出が一気に増え、すっかり賑やかになっていました。気温も上がり、少し暑く感じてきました。
あまり規模は大きくはありませんが、屋外市場的なものがオープンしていました。
さて、バル巡りを始めることにします。サン・セバスチャンは旧市街だけども100店舗ほどがひしめくバルの激戦区です。一説では、スペインバルの形式はサン・セバスチャンが発祥であるとか。これは期待するしかありませんね。
一軒目のバルはお洒落な雰囲気なこのバルにしました。とにかくお客さんで賑わっています。ピンチョスやタパスの美味しいバルの識別方法は2つ。人が多いのと、散らかっていること。*5レストランとは異なり、あまり事前に口コミなどを調べる必要性はないと思います。
カウンターのガラスケース内には美味しそうなピンチョスがズラリ。見た目も鮮やかで、前日に訪れたビルバオのバルより洗練されている感じがしました。
少し驚いたことに、店内はフランス語が飛び交っていました。お客さんの半分以上がフランス人客のようで、フランスに戻ってきたような気分になりました。フレンチバスク側からやってきたのでしょうか。2人の店員さんはスペイン語とフランス語を流暢に使い分けながら対応しています。
じっくり選んでいたらかえって目移りしてしまうので、適当に目に入ってきたものを4品選びました。これとビールで6.5ユーロです。(約956円)当然美味しいです。多分何を選んで食べてもハズレを引くことはあり得ないでしょう。特にシシトウが意外と美味しく、クセになりそうでした。生ハムはもうスペインでの主食級ですね。
もっと色々食べたかったですが、バル巡りなので次のバルへ。
2軒目はこのバル。最初のバルとくらべるとやや地元民向けな雰囲気です。客層もやはりスペイン人がほとんどな感じでした。ただ、店員さんのフレンドリーさは同じです。
ピンチョス3品とビール。総額5ユーロ(約735円)左端の微塵切りにしたチョリソーと玉子を混ぜ込んで焼いたトルティーヤが美味しくて、ビールともよく合い、ビールをおかわりしてしまいました。わしの個人的、主観的な感想ですが、スペインのビールは癖がなくてかなり飲みやすいと思います。
それ以外も当然美味。
3軒目はこちら。このバルは、朝に展望台へ向かう際に前を通ったのですが、わしが見た限りですが早い時間帯で唯一開いていたバルで、既に地元民と思しきおっちゃんたちが数名飲んでいました。
頑固親父的な風貌のおっちゃんが1人で切り盛りしています。かなり庶民的で生活感溢れる雰囲気。でも、こういう店が安いしクオリティ高いんですよね。実際ピンチョスの種類は前の2店舗より豊富です。
ピンチョスは変化を加え、アンチョビと白身魚のフライ的なやつをチョイスしてみました。白身魚はクセがなくフワフワで優しい味、アンチョビは塩辛さがバゲットとよく合います。
飲み物はバスク伝統のリンゴ酒、シードルにチャレンジしてみました。本当に前に聞いた通り、おっちゃんは瓶を高く掲げてグラスにピシャーっと注いでいました。*6写真にその場面を撮ろうとしましたが、一瞬で注ぎ終わったため、間に合いませんでした。味は、やや辛口ながらリンゴの風味が効いていて飲みやすかったです。総額4.5ユーロ(約662円)。
店を出た時はもうお腹いっぱいになっていました。ほろ酔い気分で大満足です。ピンチョスの味と店員さんにはハズレはない、と思わせてくれました。
お腹も膨れたところで、海岸をぶらぶらします。
立派な錨のモニュメントもあります。何か有名な船のものなのでしょうか。
そうこうしているうちにビルバオに戻るバスの時間が迫ってきたので、バスターミナルに引き返し、ビルバオに帰りました。
夕食は、昼間から飲み歩いてお腹がさほど空いていないこともあり、節約も兼ねてマクドナルド。マクドナルドは日本のとほぼ同じ値段なので助かります。
とまあそんな1日でした。移動して歩いて飲んで食べて帰ってきて、とこれだけ書くと、なんだかオーソドックスすぎる薄っぺらな活動しかしていない感もありますが、その中身は本番の美味しいピンチョスをお腹いっぱいに食べ、絶景を見て、立派な大聖堂を見学して、なわけですから、かなり充実したものでした。美食の町の醍醐味を味わうには十分でした。
今までは2記事に分けていましたが、頑張って1記事にまとめられてよかったです。
さて、次回はバスク地方のもう1つの町、ゲルニカに行ってみます。
つづく